2020年03月27日

民法改正(債権法)【保証】保証人の求償権

近藤和弘法律事務所です。

保証人の求償権

1.委託を受けた保証人の求償権
(1)事後求償権の対象(改正民法459条)
【改正前】
明文なし。
【改正後】
支出した財産の額。ただし保証債務の履行により消滅した主債務の額以下。
(2)主債務の弁済期前に保証人が弁済した場合の事後求償権の行使(改正民法459条の2)
【改正前】
明文なし。
【改正後】
主債務の弁済期以後,保証人が弁済した時点で主債務者が受けた利益の範囲内においてのみ求償可。
保証人が弁済する前に,主債務者において相殺可能であった場合には,主債務者はそのことを保証人に主張できる。
(3)事前求償権(改正民法460条)
【改正前】
事前求償権の発生事由
@主債務者が破産し,債権者が配当を受けられない時。
A主債務が弁済期にあるとき∵早急に主債務者に求償して保証人自ら債権者に弁済する必要性が高い。
保証契約の後に債権者が主債務者に対して期限の利益を付与した場合,保証契約の付従性により保証人は債権者に対して弁済期が延長されたことを主張できるが,保証人が主債務者に対して事前求償権を行使した際に,主債務者がこの点を主張することはできない。
B省略
【改正後】
@,Aについては同じ。
A保証人が過失なく債権者に弁済すべき旨の裁判の言渡しを受けた時。
(4)保証人が主債務者に対する事前通知を怠った場合(改正民法463条)
【改正前】
(省略)
【改正後】
保証人が主債務者に通知せず債務の消滅行為をした場合,主債務者は債権者に対抗できた事由を保証人に対して主張できる。この場合,「債権者に対抗できな事由」が相殺である場合には,保証人は債権者に対し,主債務者の自動債権の履行を請求できる。
(5)保証人が主債務者に対する事後通知を怠った場合(改正民法463条)
【改正前】
(省略)
【改正後】
保証人が債務の消滅行為をしたことを主債務者に通知しなかったため,主債務者があらためて債務の消滅行為をした場合,主債務者はその債務消滅行為を有効なものとみなせる→保証人は求償できない
(6)主債務者が保証人に対する事後通知を怠った場合(改正民法463条)
【改正前】
(省略)
【改正後】
主債務者が保証人に対し,債務の消滅行為をしたことの事後通知を怠ったために,保証人が債務の消滅行為をあらためてした場合,保証人は債務の消滅行為を有効なものとみなせる。

2.委託を受けない保証人の求償権(改正民法462,463条)
【改正前】
省略(改正後とほぼ同様)
【改正後】
主債務の弁済期前に保証人が弁済した場合の事後求償権の行使:委託を受けた保証人の場合と同様。
主債務者の意思に反して保証した場合に保証人が弁済した場合の事後求償権の行使:求償時点において,主債務者が債務消滅行為をしていた場合には求償不可。
主債務者の意思に反して保証人が弁済した場合の事後求償権の行使:求償時に主債務者が利益を受けている限度で求償可。主債務者は求償時以前に相殺可能であったことを主張可。
posted by kondolaw at 00:00| 弁護士業務