2023年06月12日

死亡事故の生活費控除率(備忘録)

近藤和弘法律事務所です。

死亡事故の生活費控除率は,民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(赤本)によれば,
一家の支柱(被扶養者1人の場合)40%
一家の支柱(被扶養者2人以上の場合)30%
女性30%
男性50%
とされている。
この基準は昭和63年頃から現在に至るまで変わっていない。

「生活費」とは,被害者本人の生活費のことである。家族の生活費は含まれていない。
したがって,被扶養者がいれば,独身の時よりも,自分の生活費を減らすことが通常であり,それを類型化する形で,被扶養者がいる場合には,50%から減じた生活費控除率としているものと思われる。
しかしながら,具体的事案の性質に応じて,上記基準を修正すべきである。

例えば,被害者が子どものいない共働き夫婦の夫である場合,生活費控除率を40%ないし45%とすることがあり得る(平成21年版 赤本講演録「生活費控除を巡る問題」)。

赤本の基準をベースとしつつ,ケースバイケースでの修正を行うことで,個別の事案において妥当な生活費控除率を導き出しましょう,ということのようです。
posted by kondolaw at 00:00| 交通事故