近藤和弘法律事務所です。
芸人さんが過払い金返還請求をされたことが話題になっています。
http://news.livedoor.com/article/detail/10754599/−以下引用
女性お笑いタレントのまちゃまちゃ(39)が26日放送のTBS系「私の何がイケないの?」(月曜後7・00)に出演し、過去、総額325万円の借金地獄に陥っていたことを告白。現在は全額返済しているが、その際に多く払い過ぎた利息である過払い金約125万円の全額返金へ向け、自身が利用していた消費者金融2社と“戦う”ことを宣言した。
まちゃまちゃが初めて借金をしたのは17年前の22歳の時。お笑いタレントになるため千葉から上京し、アルバイトをしながら糊口をしのいでいたが、給料10万円では生活を続けることができず、消費者金融を利用。最初は10万円を借り、利息を返しながら1年で完済した。
しかし、給料など生活は改善されず、その後もキャッシングを続ける日々。限度額を超えると別の消費者金融からも借りるという負の連鎖に陥り、気付けば2社から総額160万円を借金。利息を加えると約325万円にも膨れ上がることに。
その後、日本テレビのお笑い番組「エンタの神様」でブレーク。年収も大幅に上がり借金を一括返済。地獄の生活からは脱出することができたという。
そこで、クローズアップされたのが「過払い金」で、今回160万円の借金に対して払った利息は165万円。06年の法改正で払い過ぎた83万円の返済と、その利息分の合わせて約125万円を消費者金融に請求できることが判明した。
過払い金処理のプロである弁護士に依頼して、2社と返済交渉を開始。消費者金融側には全額返済しなければならない法律がなく、今回も消費者金融側からの回答は「年内なら(2社総額)41万円を返済する」との大幅減額の数字。番組では、相手側の要求通りに年内での決着か、数年かけて裁判で争っていくかの選択を迫られたまちゃまちゃだったが、完全に勝てる保証のない中、最後は「戦います」と宣言。数年かけてでも全額を取り戻す決意を口にした。
−引用終わり
気になるのは,「消費者金融側には全額返済しなければならない法律がない」とされている点です。趣旨がよく分かりませんが,@利息制限法上,上限利率が定められていること,A貸金業法上,みなし弁済が認められなければ,上限利率を超える利息の約定は無効であること,B民法及び判例に従えば,過払い金返還請求権の利息は5%であること,からして,消費者金融側は法律上,利息も含めて過払い金全額を返済しなければなりません。
また,2社というのがどの消費者金融なのか分かりませんが,過払いの裁判で数年要することはほぼありません(1年程度かかることはあります。特別な争点があって,最高裁に上告するということであれば,数年要するかもしれませんが,この件は元金が83万円ということですから,簡易裁判所の案件で,最高裁に上告ということはありません。)。
バラエティー番組ということもあるのかもしれませんが,過払い金返還請求を考えておられる方が,この記事を見て,「そんなに時間がかかり,勝てる保証もないのであれば,大幅減額和解をしよう。」とならないことを願います。
当事務所では,過払い金返還請求については,基本的に全件訴え提起し,過払い利息も含めて回収する方針です。
posted by kondolaw at 00:00|
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